私のObsidianの使い方とブログの立ち位置
Obsidian[1] は大変魅力的なアプリだと思う。 特に、 Obsidian をまだ触ったことはないが興味があるという人にとって、強烈にその興味を引くのは「第二の脳」と呼ばれる謎のカッコいいスローガンや、グラフビューの脳細胞のようなネットワークの図ではないかと推察する。
公式サイトの時点で、ネットワーク上に繋がったファイル同士の網目をグラフィカルに表示している様が見て取れる。(第二の脳というスローガンは公式のトップではなくなったようだ)

さらにインターネット上をたどれば膨大な記事をネットワーク上に構築して、壮大な知識のネットワークを構築している事例をいくつも見ることもできる。
https://www.cellos.blog/p/building-a-second-brain-in-obsidian
https://www.victorhg.com/en/post/obsidian-one-year-later-and-my-second-brain
やはり Obsidian のグラフビューのネットワークの図は非常に印象的であり、脳細胞のネットワークのようなグラフのネットワークを自分の第二の脳として使うことに憧れて Obsidian を始める人も少なくないのではないかと想像する。
しかし、まあ Obsidian はグラフビューを使わなくても ただのローカルに保存された markdown を編集するソフトとして考えたとしても優秀ではある。
例えば、私の現状の Obsidian のグラフビューの様子は以下の通り。


先の引用した例に比べればネットワークのつながりがだいぶ少ないことがわかる。 実際にほとんどの記事は独立している。 リンクが存在する箇所についても、意図的にリンクを入れたものというよりは何かの拍子に補完されたとかで入ってしまった混入したリンクがほとんどであり、意図してリンクを貼ったりはしていない。 そのためグラフビューは基本的に意味をなさないし、私は基本的にグラフビューはオフにしている。 私が Obsidian を使う過程でグラフビューを眺めることはまずない。
Obsidian の使い方も少しずつ最初に使い始めたころから変わっているが、最近はもっぱら私は日々の頭の中にあることをダンプして書き出すための走り書きを書くチラシの裏のようなものとして使っている。 そのような使い方は、知識をネットワーク上にまとめて第二の脳を作るというような使い方とは全く異なるが、これはこれで便利に使っているので、その使い方について以下にまとめてみたい。
私は Obsidian では毎日デイリーノートを作っている。 そのデイリーノートは日付の階層のフォルダに入っている。 Obsidian を使う人の中にはフォルダという整理方法を嫌ってルートフォルダに全部の記事をフラットに並べてタグを使う人もいるようだが、私は日付別のディレクトリを気に入っている。

元々 Obsidian を使う前からローカルで Hexo [2]と呼ばれる markdown から HTML を書き出す static site generator を動かしてマークダウンを完全ローカルのブログとして閲覧しながら執筆していた。 Hexo が重たくなってきたら Hugo [3]に移り、その後 Obsidian に移って今に至る。 そのため Obsidian がアプリとしてローンチされるより前の2016年とかのデイリーノートも存在している。
デイリーノートに書く内容は以下のようなものだ:
- 今日やることリスト
- 今やろうとしていることに関係するメモ書き
- 今やっていることが終わった後にやるつもりのこと
- その他思考のメモ
- etc…
例えば、今日やることリストについては次のようになる。
- AAAをやる
- BBBをやる
- CCCをやる
そしてここで区切り線を入れて次に AAA のタスクをやっている最中に必要なメモ書きやタスクをひたすらログとして書き込んでいく。
- AAAをやる
- BBBをやる
- CCCをやる
---
AAAをやる上で必要なことを書きなぐる。
例えば実行するコマンドとか、どこのサイトを見て情報を確認するとか。
そしてタスク AAA が終わったらまた区切り線を引いて、残っているタスクをまた書く。
- AAAをやる
- BBBをやる
- CCCをやる
---
AAAをやる上で必要なことを書きなぐる。
例えば実行するコマンドとか、どこのサイトを見て情報を確認するとか。
---
- BBBをやる
- CCCをやる
このように下に追記していくのには意味があり、まあスクロールして上に戻るのが面倒くさいということである。 チェックボックス付きのリストを用意して、完了したのからつぶしていってもよいのだが、私の使い方ではひたすら縦に下にログが伸びていくので、上のほうにまでスクロールして戻らないといけないのは大変なので どんどん下に追記していくことにしている。
さらに BBB をやるには BBB1 と BBB2 のタスクが必要になったとする。 その際には下の方に区切り線を引いて、 BBB2 をやる、とだけメモしておく。 するとその瞬間から今のタスクが終わったら BBB2 をやらないと、と頭の片隅で記憶しておく必要がなくなる。
この頭の片隅にやることとか考えたことが残っているのが邪魔なのでひたすら書き出す場所としてメモ書きを使っているのだ。
どうやら私は頭の脳のワーキングメモリに相当する部分が少ないようで、すぐにメモリがいっぱいになってしまう。 そこで仮想メモリとしてストレージをメモリの代わりに使うような使い方をしている。 あるいはメモリのダンプといっても良いかもしれない。 頭の中のメモリに残っていることを全部ダンプして書き出していって、後で必要になったときに見直して頭のメモリのほうに復帰させるのである。
どんどん markdown に区切り線を追加して下に下に考えたこと頭に浮かんだことは全部追い出していく。 そうやって作業するためのメモリの空き領域を増やすというのが私の日々の生活の一部になっている。
このようにするとデイリーノートにはその日の思考とか試したことやったことのログが濁流のように書かれた状態になる。 この濁流から独立して何かまとめたい時は、デイリーノートとは別に markdown を日付のディレクトリに新しく作って書いていくことにしている。
この頭の中のメモリから追い出すためのメモ書きというのは非常に良い。 現状の Obsidian はもう完全に頭の中身のメモリをダンプする第二の脳のワーキングメモリとして使っていると言えばよいだろうか。
こうなってくると Obsidian である必要もないと言えばないのだけど、 Obsidian は markdown エディタとして使いやすいのである。 シングルカラムでマークダウンをそのまま書いてキーボードから手を離してボタンをおしたりする必要もなく、 markdown で次々と仕切り線を引きながら箇条書きなどを追記していける。
知識を溜めるための第二の脳の Obsidian とは全く異なる使い方になっているけど、まあ脳内メモリの退避先として使っているという意味では第二の脳ではあるかもしれない。
以上が私の Obsidian の使い方の説明である。
こうして Obisidian には私の思考や実施したことのログがひたすら書き込まれる。 その履歴は濁流になっていると言ってよい。 あとから読み返せるような形のものではないのが、まあこの使い方の一番の欠点だろう。
後から、以前に Linux コマンドで困ったときに解決したことがあったなあというのを、何をやっていたか見返すために検索で記事を探すとかはできる。 すべての操作などが記録されていたりするので、何をやってどういうことになったかという記録は残っているので検索でヒットすれば使えなくはない。 しかし、検索で引っかからないようなものはもう見返すこともない。
これはこれで使い方としては割り切ってはいるが、自分の考えたことをあとから見返して考えを深めたい、という用途には適していない。 デイリーノートとは別に記事を作ることもあるので、そちらは多少見返す価値があるかもしれないが、デイリーノートの中にも本来見返す価値があるであろう思考の断片が濁流の中に埋もれてしまっている。 ローカルの Obsidian はメモリダンプになってしまっており、脳の仮想メモリとして使ったテキストファイルのログが残っているだけになってしまっている。
この仮想メモリの書き込みログのほかに、もう少しちゃんと物事や考えたことなどを記録しておくためのノートも作った方がよさそうではある。 もう一つ、 Obsidian の Vault を別に作ってもよいが、今回はこのブログをその考えたことなどを記録しておく場所として使うことにする。
元々、このブログを作成した当時の時点では個人的なローカルのメモ書きとブログの使い道の違いもあまり意識しておらず、どのようなものをブログの記事として扱うかについて指針を持っていなかった。 技術的でない雑多なメモを残す場所にしたいとは書いている[4]が、ローカルオンリーのメモファイルとの使い分けについては書かれていないし、当時は使い分けについて考えていなかったのである。 その結果、あまりブログは更新されず、個人のローカルの走り書きばかりが増えていった。
しかし、ローカルのメモ書きは先も述べた通り濁流であり、もう少し意味のあるノートの必要性を認識したため、そういう意味あるノートを書く場所としてブログを使っていきたいと今は考えている。 先日にブログを改造した[5]際に、このブログの立ち位置についても考えていて、そういう思考の流れなどをメモしやすいブログ的な Web サイトとしてこのサイトを運用していこうと考えている。
今後ちゃんとこのサイトが更新されていくかは未知数ではあるが、まあとりあえずローカルの Obsidian と役割の違いは明確になったということで。 今後の更新に期待である。